手出し3つ覚えれば記憶の達人

さて今回は短期記憶と手出しの記憶についての話です。

話を簡単にするため、記憶する=意識的に思い出すことができる

として話を進めていきます。

というのも、ふつう、ゲームの戦術・戦略として有効に使えるものは意識的に思いだせる記憶だけです。

牌譜を見返す、などといったきっかけを与えられて

「~を考えて打ってたなぁ」「確かあの牌は手出しだったか」

と思い出すことができてもゲーム中に使えなければその「記憶」はゲームに使えない「記憶」ということになります。

ということで戦略上意味のある「記憶」をゲーム中に思い出すこと、覚えている状態を「記憶する」とします。

さて、人間の記憶では思い出すことのできる、脳に残っている期間に応じてだいたい

長期記憶
短期記憶

この2種類に分かれます。

名前のとおり、簡単に言うと長期記憶は長期に渡って保存される記憶、
短期記憶は短期しか残らない記憶になります。

捨て牌が手出しかどうか、というのは短期記憶に含まれます。

なぜ今回短期記憶のことを取り上げたかというと、実は

①個人差はあるが短期記憶で記憶できる要素は7つ前後である
②訓練しても短期記憶のストックは爆発的に増えない、せいぜい9個まで

これが麻雀の技術を考える上で非常に重要だからです。

ですが、①の表現についてはちょっと誤解が生まれるので「チャンク化」について説明します。

半荘で、悩んだ1向聴で何を切るか迷った手牌や1向聴での何切る問題の手牌は割りと簡単に思い出せたりしますが
3向聴以上でベタオリに回ったときの手牌、3向聴以上の何切る問題はなかなか思い出せないことがありませんか?

同じ14枚の手牌なのに記憶する難易度が違うのは「チャンク化」というものを使って記憶の手助け、効率的な記憶をしているからだと思われます。

チャンク化とは記憶する内容をグループ化して記憶するべき要素を減らすことを指すそうです。

たとえば以下の手牌、

一索二索三索四索五索六索七索八索九索四萬伍萬西西

麻雀を打ちなれたものにとっては、この手牌を記憶する要素は
「ソーズの確定一通」
「マンズの45のリャンメンターツ」
「西の雀頭」
この以下の3つの要素を記憶していることになります。

一通の役も覚えていない、牌の種類もおぼつかない初心者は中級者と比較して
恐らくこの牌姿を覚えるのに時間がかかり、長く記憶も持たないはずです。

つまり麻雀を打ちなれて記憶する力が増強して麻雀牌を13個覚えられるようになったというわけではない、ということです。
単純に記憶する要素を減らしていって効率的に覚えられるようになったということなのです。


ここで閑話休題、麻雀の捨て牌の手出しツモ切りをそれぞれ別個にして覚えられるのは「捨て牌に全力集中して」7個前後です。

実際には自分の手牌と場に切れている枚数をカウントしなければいけない、受け入れ枚数の比較を行わなければいけない、と手出しツモ切りに全神経を使うわけにはいきません。

「中盤以降の手出し牌だけを覚える」という方法を使ったとしてもとても他家が全ての手出しツモ切りを把握することはできません。

ここで「チャンク化」を使って記憶する数を増やすことができるのか?という疑問が生まれます。

恐らく、私は「不可能」なのではないかと思います。
麻雀はそれぞれ他家がなにを考えて牌を切っているのが不明慮で、ツモに左右されて
なおかつパターン数が多く非常に分かりにくいと考えます。

これはつまり、手出しを見たところでせいぜい6個覚えるのが限度。
さらにいうと、他家全員に対して3個も覚えられれば記憶の達人かもしれません。

実はこれだけしか短期記憶のストックがないのに
「記憶すべき要素」はたくさんあげられているのに
「本当に記憶できるのか」が検討されていることがないのでちょっと「短期記憶」がかかわる戦術を見直す必要があるかもしれません。

まとめ

1.短期記憶は「チャンク化」を使って効率的にできる
2.短期記憶はせいぜい増えて9個まで(しかもひとつのことがらに集中して)
3.短期記憶を利用する戦術の導入は慎重に
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誤った牌譜検討の3つの方法

天鳳で簡単に牌譜を公開・記録できるようになってからあちこちで牌譜検討・添削をみかけるようになりました。

しかし、技術向上になる牌譜検討・添削とはいえないようなものも時折みかけます。

1.牌譜検討しかしない

そこそこルールを覚えたひとに見られがちな誤りです。
これでは誤打した部分は分かっても系統だった打ち方の確立には結びつかないです。

ある対局でAのミスする

Aのミスを気をつける

別の対局でBのミスをする

Bのミスを気をつける

今度はCのミスをする

Cのミスに気をつける

以下延々と繰り返し

という対症療法的なやりかた、もっと言うと場当たり的なやりかたです。
さらに、今まで検討した内容をすべて覚えていれば少しずつ上達するのですが不幸なことに人間の記憶の性質上、場あたり的方法では過去の検討内容を思い出せない・身につかない場合が多いです。

人間の記憶の方法についてはまた別の機会に話します。

2.習得している技術に見合ってない内容の検討をする

例えば、面前での牌理が不完全(卓のレベルでいうと天鳳上卓レベル)なのに、フーロ時の牌理を検討してみたり
リーチへの対応が不完全なのにフーロ相手の押し引きを時間をかけて検討するのは効率の悪い検討といえます。

基本的には、 習得が容易な技術→習得が困難な技術 の順番で身に着けたほうが上達の速度が速いです。

3.精神論を持ち込んだ検討

「オリる気がないからリーチした」
「ツモれると思ったからリーチした(≠山にいると思ったからリーチした)」
「このAの牌は相手の当たり牌だと思ったから(押し引きなどを考えずに)聴牌を崩してオリた」
「最近アガれてないから鳴いてアガりたかった」

などなど、印象や精神論によって決めた打牌をしてそれを検討に持ち込むことは検討する側・される側ともに何の利益ももたらしません。
検討される側は打牌を改めるつもりもなければ検討する側はいくら誤打だと主張しても聞き入れられることはありません。